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単身児童扶養者とは?

新年のご挨拶

新年明けましておめでとうございます。

毎年何の気負いもなく新年の挨拶を交わしていましたが、今年は切に無事に新年を迎えることができたことを喜ばしく思います。
というのも、昨年末は事務所でインフルエンザが大流行して大変慌ただしい年末を過ごしました。
健康を維持することは大切で難しいことだと実感した年末年始でありました。
皆様もどうぞ御身体ご自愛いただきまして、健康にお過ごしくださいますようお祈り申し上げます。

 

単身児童扶養者とは?

さて、先月は大掃除に忘年会、年末調整と忙しかったことと思います。

年末調整も毎年のことで慣れたことと思いますが、令和2年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の様式が少し変更されていましたね。新しく「単身児童扶養者」という欄が加えられていました。単身児童扶養者とは何ぞや?と思いますが、わかりやすく言うと母子家庭や父子家庭のことです。

ではなぜ令和2年度分から新しくこの項目が増えたかというと、地方税法の改正が行われたからです。子どもの貧困に対応するための個人住民税の非課税措置として「子どもの貧困に対応するため、事実婚状態でないことを確認したうえで支給される児童扶養手当の支給を受けており、前年の合計所得金額が135万円以下であるひとり親に対し、個人住民税を非課税とする措置を講ずる。」こととなりました。

これまでひとり親家庭への税の優遇策といえば寡婦(寡夫)控除がありましたが、これは婚姻後離婚または死別によってひとり親になった人を対象としたものでした。あくまで婚姻後という条件が入るため、未婚の親は対象外となっていました。この未婚の親も対象となるようにしようというのが今回の改正です。(この制度の適用は令和3年度分以後)

 

単身児童扶養者の条件

それでは、単身児童扶養者の条件を詳しく見ていきましょう。

申告書の裏面には「生計を一にする子について児童扶養手当の支給を受けている所得者本人で、婚姻(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。)をしていない人又は配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあるものを含む。)の生死が明らかでない人」とあります。
読み取れる条件は2つです。

①児童扶養手当の支給を受けている
②婚姻をしていない 又は 配偶者の生死が明らかでない

まず①について、児童扶養手当の対象となる児童は以下のとおりです。
(1) 父母が婚姻(内縁関係を含む)を解消した児童
(2) 父または母が死亡した児童
(3) 父または母が政令で定める重度障害の状態にある児童
(4) 父または母の生死が明らかでない児童
(5) 父または母から引き続き1年以上遺棄されている児童
(6) 父または母が裁判所からのDV(配偶者からの暴力)保護命令を受けた児童
(7) 父または母が法令により引き続き1年以上拘禁されている児童
(8) 婚姻によらないで生まれた児童
(9) 棄児など父母が明らかでない児童
この条件のうち、支給できない場合もありますがここでは割愛します。
なお、「児童扶養手当」と「児童手当」はよく似た別の制度ですので混同しないよう気を付けて下さいね。

続いて②は、婚姻をしていない=法律婚をしていない=役所に婚姻届を出していないということですね。さらに婚姻届は出していないけれど実際は夫婦のようなものだよねという事実婚=内縁の妻、内縁の夫も婚姻をしているとみなされるので、条件からは外れることになります。

つまり、単身児童扶養者の要件を満たすのは、児童扶養手当の支給を受けている人のうち、
(1) 父母が婚姻(内縁関係を含む)を解消した児童
(2) 父または母が死亡した児童
(4) 父または母の生死が明らかでない児童
(8) 婚姻によらないで生まれた児童
上記に該当する人ということになります。

 

おまけ:なぜ所得税の書類に住民税?

ところで所得税の控除を受けるための申告書に、住民税について記載する必要があるのはなぜでしょうか。もちろん理由があります。地方税法によって給与の支払を受ける人は、毎年最初に給与の支払を受ける日の前日までに個人住民税の「給与所得者の扶養親族申告書」を給与の支払者に提出しなければならないこととされました。けれども、申告書を何枚も記入して提出するとなると手間が大変ですよね。その事務手続きの煩雑さを解消するために所得税と住民税の申告書をひとつにまとめました。そのため控除申告書の左上の提出先欄には所轄税務署と市区町村の両方の記載欄があるのです。

 

参考文献資料等

「神戸市HP:児童扶養手当
「総務省HP:個人住民税の「給与所得者の扶養親族申告書」等について
「令和元年版改正税法のすべて」大蔵財務協会

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